2022年7月22日、ヤマハは「MT-10 ABS」および上級グレード「MT-10 SP ABS」のモデルチェンジを発表しました。
2022年モデルの新たな特徴としては平成32年排出ガス規制適合化と出力アップ、αlive ADを応用したサウンドデザイン、「IMU」搭載による各種電子制御などが挙げられます。
平成32年排出ガス規制適合化と出力アップ
2022年モデルではサイレンサーの通路径の最適化など吸排気系を見直し、平成32年排出ガス規制に適合すると同時に出力アップを図っています。また、FIセッティングの最適化によって、4,000~8,000r/min付近でリニアなトルク特性を実現しています。
サウンドデザイン
新たに3本の吸気ダクトを備えるエアクリーナーボックスを採用しており、断面積と長さの異なる各ダクトが生む吸気音を各周波数帯で共鳴させ、かつそれぞれのダクトから出る音圧のバランスをチューニングしています。
2022年モデルでは初の試みとして四輪車のパワートレインサウンド開発に用いられたαlive ADを応用し、二輪車のサウンドデザインを進めています。
タンクカバー上面の左右には、音の響きを強調するアコースティック・アンプリファイア・グリルを設置しており、吸気ダクトからの音に加え、吸気ダクト自体の振動である”ダクトの鳴り”をライダーに向けて発生させます。CP4(クロスプレーン・コンセプトの4気筒)エンジンならではの音質が強調され、最大トルクに向かって気持ち良く伸びていくサウンドを奏でます。
高機能・6軸の「IMU」(Inertial Measurement Unit)を搭載
「3軸角速度センサー」と「3軸加速度センサー」を使用することで6軸を検出しており、「IMU」の情報を車両側にフィードバックするECUには、シフトダウンにも対応するクイックシフター、バンクの深さも反映するトラクションコントロールシステム、スライドコントロールシステム、リフトコントロールシステム、エンジンブレーキマネージメント、ブレーキコントロールを織り込んでいます。
各システムは介入レベルの調整ができ、システムによってはON・OFFの切り替えが可能となっており、ユーザーが最高速度を設定できるYVSL(Yamaha variable speed limiter)も採用しています。
デザイン面では、ヘッドランプまわりの意匠を刷新しており、シンプルな外装としてコンポーネントそのものの迫力を際立たせています。
発売日
2022年10月26日発売予定です。
価格(税込)
MT-10 ABS:1,925,000円
MT-10 SP ABS:2,189,000円
スペック
エンジン:水冷4ストローク・直列4気筒
総排気量:997cc
最高出力:122kW(166PS) /11,500r/min
最大トルク:112Nm /9,000r/min
シート高:835mm