この記事では事故の多い車のボディカラーをランキングで紹介しています。事故に巻き込まれやすいカラーについてはいくつかの研究結果があり、それぞれ紹介しています。
事故の多い車の色ランキング
・最も事故に遭いにくいボディカラーは「ホワイト」
順位 | ボディカラー | 衝突リスク(ホワイトと比べ) |
1 | ブラック | 12% |
2 | グレー | 11% |
3 | シルバー | 10% |
4 | ブルー | 7% |
5 | レッド | 7% |
6 | ホワイト |
比較的最近の研究によれば、一番事故に巻き込まれにくい車の色は「ホワイト」、そして一番事故に巻き込まれやすい車の色は「ブラック」とされています。上記のランキングは2007年、モナッシュ大学事故研究センターが実施した「車の色に関する調査」によるものです。以下ではそれぞれの研究結果について紹介しています。
昔の研究結果では青い車が一番事故に遭いやすいとされていましたが、その後に実施された研究では異なる結果が出ています。
いくつかの研究結果
1968年の書籍
1968年に出版された書籍「Using Colour to Sell」(Eric P. Danger著)によれば、それぞれの車の色別の事故率は以下の通りです。
データが古いこと、そして交通事故2,048件のみを対象データとしていることから、信頼性には欠けるかもしれません。
順位 | ボディカラー | 事故率 |
1 | ブルー | 25% |
2 | グリーン | 20% |
3 | グレー | 17% |
4 | ホワイト、クリーム | 12% |
5 | レッド | 8% |
6 | ブラック | 4% |
7 | ブラウン、ベージュ | 3% |
8 | イエロー、ゴールド | 2% |
9 | その他 | 9% |
合計 | 100% |
1999年の研究
1999年発表、ニュージーランドのオークランド大学が行った研究によれば以下の通りです。白い車の事故率を1とした時の、それぞれの色の事故比率となっています。
ニュージーランドのオークランド地域で1998年4月から1999年6月にかけて実施されたものです。対象データは567件のみのようです。
順位 | ボディカラー | 比率 |
1 | ブラウン | 2.1 |
2 | ブラック | 2.0 |
3 | グリーン | 1.8 |
4 | ホワイト | 1.0 |
5 | ブルー | 0.9 |
6 | イエロー | 0.8 |
7 | レッド | 0.7 |
8 | グレー | 0.6 |
9 | シルバー | 0.4 |
2007年の研究
モナッシュ大学事故研究センターが実施した「車の色に関する調査」(2007年)
上記で紹介したように車の色と事故の関係性についてはいくつか研究結果がありますが、比較的新しい研究によれば最も事故に巻き込まれにくいカラーは「ホワイト」、そして最も事故に巻き込まれやすいカラーは「ブラック」です。
ランキングは以下の通りです。
順位 | ボディカラー | 衝突リスク(ホワイトと比べ) |
1 | ブラック | 12% |
2 | グレー | 11% |
3 | シルバー | 10% |
4 | ブルー | 7% |
5 | レッド | 7% |
6 | ホワイト |
モナッシュ大学事故研究センターが実施した「車の色に関する調査」(2007年)によると、人目につきやすく道路を安全に走行するためには白が最も安全だという一般的な考えが確認されています。白い車と比較すると、黒い車は衝突リスクが12%高く、グレーの車が11%、次いでシルバーが10%、青と赤が7%となっています。
本研究ですが、1987~2004年のビクトリア州と西オーストラリア州の警察報告事故データが基礎になっています。
ビクトリア州のデータは、1987年から2004年の間に警察によって報告された人身事故を起こした1982年から2004年モデルの車の負傷運転者102,559人を対象としています。
西オーストラリア州のデータには、1991年から2004年の間に警察から報告された、負傷事故または車両がレッカー移動された事故に関与した1982年から2004年に製造された車両の運転者752,699人が含まれています。
ランキング詳細
この研究はボディカラーを17色に分け調査しているのですが、上記で紹介したランキングは「日中の時間帯で、かつ統計的に有意な結果」に絞ったものです。本調査では「統計的優位性」といって、車両の色に起因する衝突リスク効果が、データの偶然のばらつきによって生じた可能性が低いことを示した数値を併せて発表しています。
単に事故と車の色を統計的に表しているわけではなく、統計的に有意な結果が得られるかといった研究がなされているのです。
まず、以下に日中、夕暮れと夜明け、そして夜間の時間帯別ランキングを「統計的有意値」と併せて紹介します。
日中 | ||
ボディカラー | 衝突リスク | 統計的有意値 |
ピンク | 1.19 | 0.4160 |
ブラック | 1.12 | 0.0282 |
グレー | 1.11 | 0.0037 |
パープル | 1.11 | 0.2916 |
シルバー | 1.10 | < 0.0001 |
レッド | 1.07 | 0.0006 |
ブルー | 1.07 | 0.0008 |
マルーン(暗い赤) | 1.07 | 0.2007 |
モーブ(薄い紫) | 1.07 | 0.8642 |
ブラウン | 1.05 | 0.1327 |
グリーン | 1.04 | 0.0702 |
クリーム | 1.03 | 0.7270 |
イエロー | 1.00 | 0.9807 |
ゴールド | 0.98 | 0.5303 |
フォーン(子鹿色) | 0.93 | 0.4245 |
オレンジ | 0.89 | 0.4738 |
夕暮れ・夜明け | ||
ボディカラー | 衝突リスク | 統計的有意値 |
ブラック | 1.47 | 0.0175 |
グレー | 1.25 | 0.0574 |
オレンジ | 1.21 | 0.7191 |
フォーン(子鹿色) | 1.16 | 0.6534 |
シルバー | 1.15 | 0.0468 |
ブラウン | 1.12 | 0.2936 |
ゴールド | 1.04 | 0.7771 |
グリーン | 1.03 | 0.7098 |
レッド | 1.02 | 0.7011 |
パープル | 1.01 | 0.9655 |
クリーム | 0.99 | 0.9730 |
ブルー | 0.96 | 0.4734 |
イエロー | 0.88 | 0.4027 |
マルーン(暗い赤) | 0.82 | 0.1706 |
ピンク | 0.66 | 0.4050 |
夜間 | ||
ボディカラー | 衝突リスク | 統計的有意値 |
レッド | 1.10 | 0.0006 |
ゴールド | 1.10 | 0.1114 |
パープル | 1.10 | 0.4578 |
マルーン(暗い赤) | 1.09 | 0.2305 |
シルバー | 1.08 | 0.0132 |
グレー | 1.07 | 0.1431 |
ピンク | 1.06 | 0.8126 |
グリーン | 1.04 | 0.1947 |
ブルー | 1.03 | 0.2116 |
イエロー | 1.00 | 0.9842 |
ブラウン | 0.98 | 0.6349 |
フォーン(子鹿色) | 0.97 | 0.8490 |
ブラック | 0.92 | 0.1893 |
クリーム | 0.92 | 0.3497 |
オレンジ | 0.77 | 0.2104 |
モーブ(薄い紫) | 0.65 | 0.4854 |
「衝突リスク」は白い車と比較した際の数値です。例えば日中のブラックが1.12なので、白い車と比べ、12%リスクが高いということになります。
緑に色塗りしているデータが「統計的有意値」が低いものです。統計的有意値が低いということは、車両の色に起因する衝突リスク効果が、データの偶然のばらつきによって生じた可能性が低いことを示しています。つまり統計的に有意な結果であるということです。
日中の時間帯で見れば、ブラック、グレー、シルバーなどが事故リスクの高い色で、かつ統計的に有意なデータということになります。
モナッシュ大学事故研究センターによるこの調査ですが、対象データが多いこと、そしてドライバーの人口統計など、衝突リスクに影響を与える可能性のある他の要因を考慮していることなどから、これまでの研究結果よりも信頼性があるデータだと思います。
なぜ車のボディカラーによって事故遭遇率が変わるのか
白っぽい色の車両はあらゆる光の条件下で最も衝突リスクが低く、逆に、シルバー、グレー、緑、赤、青、黒など、暗い色や道路環境とのコントラストが低い色は、特に日中の時間帯において衝突リスクが高くなる傾向がある、とされています。
https://adm.monash.edu/records-archives/archives/memo-archive/2004-2007/stories/20070613/black-cars.html
リセールバリューの高いカラー・人気のカラーは?
ここでは車の色と事故の関係について紹介しましたが、じゃあ実際に購入されている色、人気の色は何色なのかということで、以下ではリセールバリューの高いカラー・人気のカラーについて紹介しています。