【実験結果】車のタイヤに窒素 結局意味ある?お金に見合わないことが判明

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メンテナンス
結論:タイヤの窒素ガス充填はほとんど意味がない、お金に見合わないという実験結果
窒素ガスについては色々な意見があると思いますが、使用環境が非常にシビアになる「大型商用トラック」や「飛行機」そして「モータースポーツ」などを除けば、窒素充填によるメリットはほとんどないと言えると思います。

ガソリンスタンドなどではタイヤの空気圧点検、また空気の補充を無料で実施してくれる場合が多いです。他にもディーラーや修理工場、自動車用品店、タイヤ販売店でもこういったサービスがありますね。

そして通常の空気の代わりに「窒素ガス」を充填するサービスもあるのですが、こちらは1本500円程度の費用がかかります。4本で2,000円程度の費用ですが、この窒素ガス充填はほとんど意味をなさないといった実験結果がありますので、紹介しています。

タイヤに窒素を入れる意味

タイヤに窒素を入れる意味、メリットですが以下の通りです。(メリットとされている)

・空気が抜けにくい
・燃費が良くなる
・タイヤが長持ちする
・バーストしても発火しにくい
・ロードノイズの減少
など

不活性ガスである窒素は、酸素に比べ分子の動きが遅い性質を持っています。そのため、タイヤのゴム膜を透過しにくく通常の空気充填よりも空気圧が安定し、上記のようなメリットがあるとされています。

窒素ガスの方が空気が抜けにくく、適切な空気圧を保ちやすいということです。タイヤの空気圧が常に適切であればより安全であり、燃費が良くなる、タイヤが長持ちするというのは想像しやすいですね。

理論的には窒素ガスの方が良いということは分かりましたが、実際のところどうなんでしょうか。窒素ガスは価格に見合う価値があるのでしょうか。

コンシューマー・レポートによる実験結果

窒素ガスの充填はあくまで理論的なものであり、メリットはあまりないことが判明

アメリカのコンシューマー・レポート誌は、米国運輸省道路交通安全局と独自に窒素ガスの効果についてテストを実施しました。

空気損失のテスト方法

コンシューマー・レポートは、31モデルのオールシーズンタイヤを使って、12ヶ月間のテストを実施しました。

モデルごとに1つのタイヤに空気を、もう1つのタイヤに窒素を充填、そして両方のタイヤを1年間屋外に置いた後、室温で空気圧をチェックするといった方法です。

そしてテスト結果ですが、空気・窒素の差はごくわずかに過ぎないということが分かりました。

どちらも初めに室温で30psiまで充填したタイヤですが、空気入りタイヤの平均損失はわずか3.5psi、窒素充填タイヤでは平均2.2psiといった結果です。

確かに窒素は空気圧の低下を減少させますが、その減少幅は空気入りタイヤとの1年間の差でわずか1.3psiに過ぎないことが判明しました。1ヶ月ではなく1年間の結果です。

この差をどう見るかではありますが、窒素タイヤも空気入りタイヤも、時間とともに確実に空気圧が低下することが分かりました。そして何より大事なのは、車の所有者は日常的にタイヤの空気圧をチェックすることです。

また、窒素ガスを使用しているユーザーはタイヤの空気圧をチェックする頻度が減るのではないかという懸念もあります。

タイヤの劣化や転がり抵抗にも効果はなし

米国運輸省道路交通安全局の研究報告書では、窒素はタイヤの劣化や転がり抵抗にも効果はないことが判明しています。

窒素を使用することで酸化が抑制され、タイヤの劣化が抑えられると結論づけた(ただし実践的ではない)

タイヤは通常の空気中の酸素にさらされることで、ゴムを脆くし、ダメージを引き起こす可能性があるとはしつつ、通常ユーザーはこういった劣化が問題になる前にタイヤを交換しており、これは現実的な問題ではない、としています。

これは適切にメンテナンスされた通常のタイヤであれば劣化は問題ではなく、タイヤメーカーの中にはゴムの経年劣化のため、使用頻度が少なくても10年以内の交換を推奨することもあるからとのことです。

窒素はたしかにタイヤの劣化を抑えられるがこれは限定的であり、実際の使用においてそこまでの影響を及ぼさない、ということだと思います。

また、研究報告書では「空気の代わりに窒素を充填しても、タイヤの転がり抵抗性能に直接的な影響はほとんどない」ことも判明しています。

窒素はタイヤから抜け出す速度が通常の空気と比べて遅いので、転がり抵抗性能に影響しそうです。しかし、どちらのガスを使っても、適正なタイヤ空気圧に保たれていればタイヤの転がり抵抗は変わらず、直接的な影響はほとんどないとのことです。

コンシューマー・レポートは、大型商用トラックから飛行機まで、タイヤ空気圧の高いヘビーデューティー用途では、窒素の方がより強力なケースとなる。しかし、乗用車での経験と今回のテスト結果に基づけば、消費者はタイヤに空気を入れて月1回点検するだけで、より良い結果を受けることができ、費用も節約できるだろう、と締め括っています。

結論

窒素ガス充填は決して悪いことではなく、多少の効果は期待できます。しかしその効果は非常に限定的であり、コストに見合わないかもしれません。

窒素であっても空気は抜けていくため、いずれの場合でも定期的なタイヤの空気圧点検が重要であることが分かりました。

無料で充填してくれるなら窒素でもいいかな、といったところですね。

空気と窒素ガスを混ぜても大丈夫?

窒素ガスを初めて充填する際、タイヤの空気を全て抜いてから窒素を充填します。しかし、その後通常の空気での補充をしても大丈夫でしょうか。

結論としては問題ないです。しかし窒素ガスのメリットを期待するのであれば窒素のみで補充する必要があります。上記で紹介したテスト結果ではそもそも窒素・空気での効果の差は僅かでした。

空気を入れて混ぜてしまうとその効果はさらに減少していくので窒素を使うのであれば窒素だけを補充することにした方がいいですね。

こまめに窒素ガスを補充するのが難しく、点検・補充の頻度が少なくなった・・なんてことより通常の空気を充填し、頻繁に点検・補充した方がいいかと思います。

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