中国EVメーカー「BYD」について解説【国内展開・アフターサポートなど】

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BYD

この記事では中国EVメーカー「BYD」とはどんな自動車メーカーなのか解説しています。導入モデル・BYDの歴史、日本でのアフターサポートなども紹介。

BYDグループについて

  • 親会社である「BYD Company Limited」が設立されたのは1995年、バッテリーメーカーとして創業
  • 子会社、自動車メーカーである「BYD Auto」が設立されたのは2003年
  • 「BYD Auto Japan株式会社」が設立されたのは2022年、そして2023年には日本第1弾モデルとして「ATTO 3(アットスリー)」が登場
  • 「BYD Auto」は2023年上半期(1~6月)、メーカー別・世界のEVシェア率、第1位である

日本国内

日本国内では2023年より「ATTO 3」や「ドルフィン」などのEVモデルを展開している「BYD Auto」は、2003年に設立された中国・深センに拠点を置く自動車メーカーです。

「BYD」は2005年7月に日本法人である「ビーワイディージャパン株式会社」を設立し、2015年2月には中国メーカーとして初めて日本国内に電気バスを納車、そして2022年2月にはEVモデル「e6」を発売するなど、法人向けとして活動展開。

その後2022年7月4日、乗用車の販売やアフターサービスを行うBYDの子会社「BYD Auto Japan株式会社」を設立し、2023年1月に日本第1弾モデルとしてSUV型EVモデル「ATTO 3(アットスリー)」が登場しました。

さらに2023年9月には、日本発売モデル第2弾として「BYD DOLPHIN(ドルフィン)」を発表しています。「BYD ドルフィン」はコンパクトEVモデルで販売価格は税込363万円〜と、非常に安価な電気自動車として日本導入されました。

また、2023年末ごろにはセダンタイプの「SEAL」が日本導入予定となっています。

【EPA/WLTC】ATTO3 航続距離・電費・スペック情報【BYD】
中国の自動車メーカー「BYD」が販売するミドルサイズSUV「ATTO 3(アットスリー)」の航続距離・電費・スペック・価格情報などをまとめています。
【EPA/WLTC】BYDドルフィン 航続距離・電費・スペック・価格情報
中国の自動車メーカー「BYD」が販売するコンパクトEV「BYD DOLPHIN(ドルフィン)」の航続距離・電費・スペック・価格情報などをまとめています。

BYD Auto設立の流れ

自動車メーカー「BYD Auto」のグループ本体(親会社)である「BYD Company Limited」が設立されたのは1995年2月です。

バッテリーメーカーとして創業された「BYD Company Limited」ですが、現在ではITエレクトロニクス、電気自動車、新エネルギー、モノレールの4大事業を展開するグローバル企業です。2021年には売上高約4.1兆円を超え、400以上の都市、70以上の国、6大陸で展開をしているとのこと。

なお「BYD」の社名は「Build Your Dream」の頭文字が由来となっています。

「BYD Company Limited」は2003年1月、中国国営の自動車メーカーを買収し、自動車事業を開始しました。それが子会社である自動車メーカー「BYD Auto」です。

BYDの電気自動車の特徴としては最先端のEV技術「ブレードバッテリー」、そしてEV専用のプラットフォーム「e-Platform 3.0」を採用していることです。

BYDは熱安定性の高いリン酸鉄リチウムを使用し、それを刀のように長くて薄い形状にしたブレードバッテリーを開発しました。これをバッテリーパック内に効率よく敷き詰めることで、安全性、強度、寿命の長さ、高い動力性を発揮するとのことです。

また、EV専用のプラットフォーム「e-Platform 3.0」ですが、ブレードバッテリー搭載を前提に開発されています。ブレードバッテリーとバッテリーパックがシャシーの一部を構成することによって高度な車体剛性と安全性を獲得、またモーターや制御システムなどを集積し一体化と軽量化を図るなど効率性を高めています。

これらの技術は日本導入モデルである「ATTO 3」そして「ドルフィン」にも採用されています。

BYDは自社でのバッテリー事業としてのノウハウを活かし、世界トップのEVメーカーへと成長してきました。

さらには「BYD」は高級ブランドである「仰望(YangWang)」を展開しています。これはトヨタにあるレクサスのようなサブブランドで、「YangWang」ではオフロードEVの「U8」やエレクトリックハイパーカーである「U9」といったモデルを発表しています。

世界での販売台数・シェア率

「BYD」は2023年上半期(1~6月)において、メーカー別・世界のEVシェア率でトップに位置します。

「BYD」の販売台数は1,191,405台、シェア率は27.1%と、テスラのシェア率20.2%を上回る結果となっています。

同時期、モデル別での販売台数・シェア率で見るとトップはテスラ・モデルY、次いでテスラ・モデル3となっています。

しかしトップ3以降にはBYDのモデルが多くランクインしている状況です。

なお、ガソリン車など全てを含む2023年上半期(1~6月)の世界販売台数はトヨタが1位、次いでフォルクスワーゲングループ、ヒョンデ自動車グループとなっています。

従来のガソリンエンジン車を生産してきたメーカーは、電気自動車においてはBYDやテスラに大きく後れを取る状況です。

【2023最新】日本・世界のEVシェア統計データ【メーカー/モデル】
日本・海外におけるEV(電気自動車)やハイブリッド車、ガソリン車のシェア率や、所有割合について2023年最新の統計データをもとに解説しています。また、メーカー別・モデル別の日本、世界EVシェア率なども紹介しています。

日本国内での展開状況

  • EVモデル「ATTO 3」、「ドルフィン」を国内導入済み
  • セダンモデル「SEAL」も導入予定
  • 全車右ハンドル、そして右ウインカーを採用している
  • 他の国産EVモデルと比べて価格、電費が優秀である
  • 日本国内正規ディーラーを構築中
  • 新車保証は4年、延長保証もあり
  • リースサービス、認定中古車なども展開

日本国内導入モデル

日本国内では「ATTO 3」、「ドルフィン」の2車種を導入済みです。また、2023年末ごろにはセダンタイプの「SEAL」が日本導入予定となっています。

「ATTO 3」は日本第一弾モデルとして発売されたミドルサイズSUV型電気自動車で、日本での発売日は2023年1月31日、発売価格は税込で440万円です。「ATTO 3」は1グレード展開、搭載されるバッテリー容量は58.56kWh、WLTCモードでの航続距離は470kmです。

日本発売モデル第2弾の「ドルフィン」はコンパクトEVモデルで発売日は2023年9月20日、価格は税込363万円〜です。「ドルフィン」は2グレード展開で、ベースグレードの「BYD DOLPHIN」には総容量44.9kWhのバッテリーが搭載され、航続距離はWLTCモードで400km、そして上位グレードの「BYD DOLPHIN Long Range」は「ATTO 3」と同じく総容量58.56kWhのバッテリーが搭載されますが、航続距離は「ATTO 3」では470kmに対し、「BYD DOLPHIN Long Range」では476kmと多少伸びています。

「ドルフィン」は全長4,290mm、全幅1,770mm、全高1,550mmといったボディサイズで、日本の道路事情に適したモデルと言えますね。

ちなみに、BYDは右ハンドル・右ウインカーの設定です。右ハンドルの輸入車モデルはウインカーだけ左側のままになっていることが通常なのですがBYDの場合、ウインカーも日本仕様の右側に設定されており、こういった細かい気遣いは素晴らしいですね。

ATTO 3のスペック

「ATTO 3」は1グレード展開です。

バッテリー総容量:58.56kWh
航続距離:470km(WLTCモード)
最高出力:150kW(204PS)
最大トルク:310Nm
駆動方式:FWD
トランスミッション:1段固定式
全長:4,455mm
全幅:1,875mm
全高:1,615 mm
ホイールベース:2,720mm
最小回転半径:5.35m
車両重量:1,750kg
乗車定員:5名

【EPA/WLTC】ATTO3 航続距離・電費・スペック情報【BYD】
中国の自動車メーカー「BYD」が販売するミドルサイズSUV「ATTO 3(アットスリー)」の航続距離・電費・スペック・価格情報などをまとめています。

ドルフィンのスペック

「BYD DOLPHIN」

バッテリー総容量:44.9kWh
航続距離:400km(WLTCモード)
最高出力:70kW(95PS)
最大トルク:180Nm
駆動方式:FWD
全長:4,290mm
全幅:1,770mm
全高:1,550mm
ホイールベース:2,700mm
最小回転半径:5.2m
車両重量:1,520kg
乗車定員:5名

「BYD DOLPHIN Long Range」

バッテリー総容量:58.56kWh
航続距離:476km(WLTCモード)
最高出力:150kW(204PS)
最大トルク:310Nm
駆動方式:FWD
全長:4,290mm
全幅:1,770mm
全高:1,550mm
ホイールベース:2,700mm
最小回転半径:5.2m
車両重量:1,680kg
乗車定員:5名

【EPA/WLTC】BYDドルフィン 航続距離・電費・スペック・価格情報
中国の自動車メーカー「BYD」が販売するコンパクトEV「BYD DOLPHIN(ドルフィン)」の航続距離・電費・スペック・価格情報などをまとめています。

CEV補助金対象モデル

「ATTO 3」、「ドルフィン」ともにクリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)モデルです。

「ATTO 3」が85万円、「ドルフィン」が65万円です。

CEV補助金を考慮すると「BYD DOLPHIN」は実質298万円、「BYD DOLPHIN Long Range」は実質342万円、そして「ATTO 3(アットスリー)」は実質355万円ということになります。

ドルフィンドルフィン ロングレンジATTO 3
価格(税込)363万円407万円440万円
CEV補助金65万円65万円85万円
差引(実質価格)298万円342万円355万円

国産EVと価格、スペック比較

2023年現在、日本国内にて最もEVモデルの販売シェア率が高いメーカーである、日産と比較してみます。

例として、軽自動車EVのサクラ(X)、そしてアリア(ベースグレード)と比較します。

アリアにはバッテリー容量91kWh、航続距離610kmのグレードもありますが、ここではより電費が優れ、BYDと航続距離が近いベースグレードで比較しています。また、サクラには上位グレード(G)もありますが、より安価なベースグレード(X)で比較しています。XとGのスペック自体は同一です。

ドルフィンドルフィン ロングレンジATTO 3サクラ Xアリア
価格(税込)363万円407万円440万円254.87万円539万円
CEV補助金65万円65万円85万円55万円85万円
差引(実質価格)298万円342万円355万円199.87万円454万円
バッテリー総容量44.9kWh58.56kWh58.56kWh20kWh66kWh
航続距離(WLTC)400km476km470km180km470km
電費(WLTC)8.9 km/kWh8.1 km/kWh8 km/kWh9km/kWh7.1km/kWh

まず、価格で見ると軽自動車EV「サクラ」が最安となります。バッテリー総容量20kWh、そして航続距離180kmといったシティコミューターモデルなので最安なのも当然ですね。

次にクロスオーバーEVである「アリア」ベースグレードは539万円なのに対し、同じ航続距離470kmのSUVモデル「ATTO 3」が440万円と、99万円も安いです。また、「ドルフィン」はコンパクトEVなので単純比較はできませんが、ロングレンジモデルでも407万円と、「アリア」と比較して132万円も安価です。BYDのEVモデルは非常に安価だということが分かります。

また、注目なのは電費です。「ドルフィン」ベースグレードは航続距離400kmと、一般的なEVモデルとして十分な航続距離なのですが、バッテリー総容量44.9kWh、そして電費が8.9 km/kWhとなっています。20kWhのバッテリーを搭載するシティコミューター的モデルである「サクラ」の9km/kWhと比べてもほぼ同じということで、ドルフィンの電費は非常に優れています。

航続距離が同じ470kmである「アリア」と「ATTO 3」を比べても、「アリア」ではバッテリー総容量66kWhなのに対し「ATTO 3」は58.56kWhと7.44kWh少ないことからも、BYDの方が電費効率に優れる結果が出ています。

以下のページでは電気自動車の電費ランキングを紹介していますが、小型バッテリーを搭載するコンパクトカーと比べてもBYD、特にドルフィンは非常に電費が良いことが分かります。

【2023年】電気自動車の電費(燃費)一覧・ランキング【EV】
2023年最新版、電気自動車(EV)の「電費」をモデル別に一覧・ランキング化しています。

日本国内正規ディーラー

「BYD Auto Japan」は2025年までに日本各地に100店舗以上の販売ネットワークを構築し、乗用車の販売やアフターサービスを提供する、としています。

2023年9月時点では全国に以下の48店舗が展開されています。大半の店舗は「開業準備室」とされており、BYDによれば開業準備室は”本格的なショールームはございませんが、試乗や購入に関する相談及び購入後のアフターサービスを受け付けております”とのことです。

・BYD AUTO 札幌
・BYD AUTO 盛岡
・BYD AUTO 郡山
・BYD AUTO 水戸
・BYD AUTO つくば
・BYD AUTO 宇都宮
・BYD AUTO 前橋
・BYD AUTO 熊谷
・BYD AUTO 越谷
・BYD AUTO さいたま南
・BYD AUTO 柏
・BYD AUTO 足立
・BYD AUTO 池袋
・BYD AUTO 練馬
・BYD AUTO 東京品川
・BYD AUTO 東京ベイ東雲
・BYD AUTO 調布
・BYD AUTO 国立
・BYD AUTO 八王子
・BYD AUTO 東名横浜
・BYD AUTO 港北
・BYD AUTO 横浜中央
・BYD AUTO 新潟
・BYD AUTO 富山
・BYD AUTO 金沢
・BYD AUTO 山梨
・BYD AUTO 岐阜
・BYD AUTO 静岡
・BYD AUTO 浜松
・BYD AUTO 沼津
・BYD AUTO 岡崎
・BYD AUTO 知多・刈谷
・BYD AUTO 名古屋東
・BYD AUTO 名古屋北
・BYD AUTO 四日市
・BYD AUTO 松阪
・BYD AUTO 堺
・BYD AUTO EXPOCITY
・BYD AUTO 神戸
・BYD AUTO 西宮
・BYD AUTO 松江
・BYD AUTO 岡山
・BYD AUTO 広島
・BYD AUTO 高松
・BYD AUTO 福岡西
・BYD AUTO 大分
・BYD AUTO 鹿児島
・BYD AUTO 沖縄
BYD正規ディーラー | BYD Auto Japan株式会社
BYDAutoJapanのBYD正規ディーラー一覧ページです。

BYDのアフターサポート・サービス

新車保証

・一般保証:4年間/10万km
・ボディ塗装・錆:4年間/10万km
・高電圧部品の保証:8年間/15万km
・ロードサイドアシスタンス(4年間)

ロードサイドアシスタンスまでが標準で付いてくるのが特徴ですね。ロードサイドアシスタンスではレッカーサービス、バッテリートラブル時の対応、電欠(充電切れ)時などの駆けつけサービスなどが提供されます。

また、「新車保証」に加え、有償の「延長保証」に加入することができます。延長保証(5年目)の料金は、加入時期などによって異なります。「ドルフィン」で27,500円〜、「ATTO 3」で29,700円〜とされています。

BYD メンテナンスパッケージ(BYD eパスポート)

「BYD eパスポート」は3年目の車検を含む4年間の点検と、それに付随する基本部品の交換に対応したメンテナンスパッケージです。また、5年目の「BYD 延長eパスポート」も用意されています。

「BYD eパスポート」は4年間(47ヶ月)のフルメンテナンスパッケージとなっており、初回車検費用、指定部品代が含まれます。加入価格は「ドルフィン」で126,500円、「ATTO 3」で139,700円です。

アフターサポート | BYD Auto Japan株式会社
BYDAutoJapanのアフターサポートページです。

ファイナンス

BYDはファイナンスサービスとして、通常型ローン、残価設定型ローンに加え、頭金なしのサブスク型リース「BYD eフラット」を提供しています。

「BYD eフラット」は頭金0円・ボーナス払いなし4年間のリース商品です。

例えば「BYD ドルフィン」の場合、毎月の支払いは38,830円からで、車検やメンテナンス費用は別途となりますが、自動車税や登録諸費用、自賠責保険料などは含まれています。車体料金は残価設定となっているため、期間満了時には新車に乗り換え、もしくはクルマを返却ということになります。

BYD eフラット | BYD Auto Japan株式会社
BYDAutoJapanがご用意しているBYDeフラットの紹介ページです。

「BYD」は延長保証やメンテナンスパッケージ、ファイナンスなどの各サービスを、他の大手自動車メーカー同様に充実させていることが分かりました。また、「BYD CERTIFIED」といった認定中古車サービスについても展開していくようです。

ここら辺は中国メーカー、そしてEVが初所有となる日本のユーザーに対して安心感を提供するのではないでしょうか。

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